大腸内視鏡

大腸内視鏡


大腸内視鏡

大腸内視鏡とは

肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)、並びに小腸一部(回腸末端)を観察する検査です。CTや注腸などのほかの検査と違い、内視鏡により腸管の中を直接観察できるため、必要に応じて組織検査を行い病変の確定診断につなげることが可能です。また、切除必要な病変がある場合、条件が合えばその場で切除することも可能です。

以下に該当する方は検査を受けましょう                                           健康診断の便潜血検査で1回でも陽性が出た 
腫瘍マーカーが高いといわれた  
便に血が混じる    
便秘や下痢などの便通異常や腹痛などの腹部症状がある

大腸内視鏡は大変
大腸内視鏡が大変=①前処置の工程が大変 ②検査中の疼痛が大変の2つに分けられます。

①前処置の工程が大変

大腸の中は糞便、食物残渣があるため、検査するため腸管をきれいにする必要があります。腸管が完全にきれいになっていないと検査が不十分に終わることがあるため、前処置により腸管に残渣が残らないようにすることが重要です。

前日検査食や適宜追加の下剤を追加することで検査当日2-3リットルの前処置薬を飲みます。

大腸内視鏡の質

腺腫発見率が大腸内視鏡の質の指標です。
米国消化器内視鏡学会ガイドラインでは、高い質の検査を受けるために患者から術者に「あなたの腺腫発見率はどのくらいか」と質問をするようにもとめ、腺腫発見率25%以上(全体)であるべきとしています(Gastrointest Endosc 2017;86 : 18-33)。

大腸内視鏡検査で1つ以上の腺腫が見つかる確率を腺腫発見率といいます。
腺腫発見率が25%とは、100人中25人に腺腫が発見される確率です。

腺腫とは、癌化する可能性のある腫瘍性ポリープです。
2つの大規模な検証から、腺腫発見率が上がると、がんの危険性が減り、大腸癌死亡率が低下することが証明されました。(N Engl J Med 2010;362:1795-1803、N Engl J Med 2014;370:1298-1306.)

内視鏡の流れ

Step2 事前診察01B5AB

大腸内視鏡の前に事前診察を受けていただきます。
検査1週間前までの外来受診をお願いします。
現在の症状やこれまでの病歴などを伺います。(人間ドックや健診で引っかかった方は、検査結果一式をお持ちください)。続いて、必要に応じて腹部の触診などの診察を行い、大腸内視鏡の必要性、緊急性を判断します。
予約日の確定と、検査前日までと検査当日の前処置や内服薬の注意事項の説明を行います。
当院では全例感染症の内視鏡前の感染症採血は行いません。
◎診察時にお持ちいただくもの
マイナンバーカード、あるいは保険証
人間ドックや健診で引っかかった方はその検査結果一式
服用中のお薬がある方は、お薬手帳などお薬の内容がわかるもの

当院の腺腫発見率、大腸がん発見率

例数腺腫発見率大腸がん発見率期間
1-10048%3%20/3-21/3
101-20062%3%21/3-21/10
201-30066%4%21/10-22/6
301-40052%7%22/6-23/3
401-50056%5%23/3-23/10
集計方法:当院で大腸内視鏡が初回、かつ病理で診断が確定したもの。2度目以後はカウントされておりません。

抜去時間について

腺腫発見率に関連するものに、抜去時間が挙げられます。
一般に大腸内視鏡ではまず奥まで挿入し、抜去しながら観察します。抜去時間=観察時間とみなします。
大腸内視鏡は見逃しの多い検査のため丁寧に検査することが求められます。
抜去時間が6分未満の群と6分以上の群で比較したところ、6分以上の群で腺腫発見率が高くなるという報告があります。(N Engl J Med2006;355:2533-41.)

当院での観察時間は20分前後です。生検やポリープ切除など、処置が加わると更に時間がかかりますのでご了承ください。

※大腸内視鏡の動画です